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公開日 カテゴリー AI・SEO

【意味設計 Part 3】ウェブが変えた競合と営業の役割 なぜ今、コンテンツがすべてを決めるのか

イクバル・アバドゥラ
著者 イクバル・アバドゥラ
合同会社LaLoka Labsの創業者・CEO
【意味設計 Part 3】ウェブが変えた競合と営業の役割 なぜ今、コンテンツがすべてを決めるのか
この記事は、約20年のSEO実績を持つ郡司武と、AI技術者としてPython財団フェローとして活動するイクバルによる対談「意味設計:検索エンジンとAIに正しく理解されるための新パラダイム」の第3回です。

前回まで、私たちは「意味設計」の実践的なアプローチとして、視点の相対性と曖昧語の問題を解消する方法を探りました。クエリ・キー・バリューの連鎖を明確にし、超軟水を使ったおにぎりの具体例で、どうすればAIや検索エンジンに正しく評価されるコンテンツが作れるかを見てきました。

しかし、ここで立ち止まって考えなければならない根本的な問いがあります。なぜ私たちはここまでコンテンツにこだわる必要があるのか。 なぜ今、伝統的な営業や広告が効かなくなったのか。それを理解するためには、まず競合の定義から始めなければなりません。

競合のパラダイムシフト!栄養ドリンクが入浴剤と戦う時代

「競合分析する前にですね、何を競合とみなすか。ウェアコンテンツによってもすでに意思決定していて、営業するというのは非常に手遅れになっているので、そもそもウェアコンテンツがなければ判断金融もないから、最初から外れているということですよね。」

郡司さんのこの発言は、現代のマーケティングが抱える最大の認識齟齬を突いています。多くの企業は依然として、製品カテゴリーで競合を定義しています。しかし、ウェブの世界ではその定義は完全に崩れているのです。

実社会の競合 vs. ウェブの競合

具体的な例で考えてみましょう。あなたが栄養ドリンク「リポビタンデー」のマーケティング担当者だとします。実社会におけるあなたの競合は誰でしょうか?

「実社会においてはライバルは、アリナミンだぞと、アリナミンに勝つぞという話が出てくるんですけれども。」

そう、まず思い浮かぶのは同じ栄養ドリンク市場の直接競合です。アリナミン、ユンケル、オロナミンC──同じカテゴリーの製品同士がシェアを争う。これが私たちが長年当たり前としてきた競合観です。

しかし、ウェブの世界では物語が全く変わります。

「でもそのウェブの場合は、どのように競合を考えるかというと、ターゲットですよね。顧客のターゲットは被っている、そういう被っている割合が多い、その存在というものを競合と見出しましょうというのがウェブ独特の考え方になるわけです。」

ウェブにおける競合の定義は、ターゲット顧客の重複度です。栄養ドリンクを検索している人が、実は同時に「疲れを取る方法」全体を探しているならば、競合は栄養ドリンクだけではなくなります。

「栄養ドリンクが提供している価値というのは、やっぱりずっと働ける、一晩寝ないで、ずっと寝ずに、ずっと働けると、一つの力と、あと何だろう、もう一つイメージとしては、行くぞというのが、気持ちを高める、そうですよね、テンションを高めたり、あるいは日頃の疲れを取る存在として、栄養ドリンクというものが位置づけられているので、そういうベネフィットを提供しますよと。」

栄養ドリンクが提供するのは「疲れを取る」というベネフィットです。では、このベネフィットを提供するのは栄養ドリンクだけでしょうか?

「例えばどんなものがあげられると思いますかね。疲れを取るっていう価値を提供する存在として、それは肝心にも寝ることなんですよ。」

まさにその通りです。寝ることこそが最も根本的な疲れの解消法です。そしてこれは、栄養ドリンク業界の人間から見ると、まったく別業界の「競合」です。

「寝ること、一番シンプルには寝ることですよね。あとはお風呂に入ること、お風呂もいいですね、近くの銭湯とか温泉の旅に行くとか、ですよね、人によっては、マッサージングとか、ですね、あと人によってはサプリメントを飲むとか。」

ここに挙がったのは

  • 寝ること → 安眠グッズ、枕、マットレス
  • お風呂 → 入浴剤、温泉旅行
  • マッサージ → マッサージ器、整体、スパ
  • サプリメント → ビタミン剤、健康食品

これら全てが、栄養ドリンクのウェブ上での競合になるのです。なぜなら、ターゲットとなる「疲れた人」は、限られた予算の中でこれらの選択肢のどれか一つを選ばなければならないからです。

「今日疲れたなって、ドラッグストアに行って、普段は栄養ドリンクを手に取った、でも人間って予算に限りがありますから、疲れた時にその方は、じゃあ今日家帰ってお風呂入ろう、あるいは一久丸さんみたいに、今日すぐ寝ようってなった場合に、安眠枕買って寝ると、そうなってくると、栄養ドリンクに届かない。」

これがウェブ時代の最大の転換点です。競合は同じ製品カテゴリー内にいない。顧客の「疲れを取る」という課題に対して、全く異なる解決策を提供する企業が、実は最も危険な競合なのです。

A man in a fedora talking on an old-fashioned phone, contrasted with a futuristic city and robots, symbolizing the “old way of doing things” in sales and the modern salesperson.

営業が訪問する前に8割が決まっているというB2B購買の革命

「Googleが12年前に発表したB2Bマーケティング調査」──この研究が明らかにしたことは、B2Bの世界における意思決定プロセスの根本的な変化でした。

「実は会う前にですね、いろんな取引先の企業の選定というものを、情報収集も含めて、終えていて、そのクライアント、取引先ですね、営業の訪問する相手がですね、クライアントに向けて訪問する段階では、そのお客様というのは、ほとんど意思決定を得てますよと、何にするかというと、自分たちが学んで意思決定してきた、ある程度デューイデリも行ってきました、という答え合わせをするために、面談してるんですよ。」

この衝撃的な事実を整理すると、

  • 従来の認識:営業訪問が起点で、そこから情報提供→検討→決定
  • 実際の現状:営業が訪問する前に、すでに8割以上の意思決定が完了
  • 営業訪問の目的:説得や交渉ではなく、「答え合わせ」

「決めるんじゃなくて、答え合わせをするためでも、そうなんですよね、ですから従来は、私たちのご営業サイドから見ると、そこからスタートすると思っていたのが、もうすでに答えは出ていて、答え合わせをしているに過ぎない存在だ、というのが、12年前に発表されて、それがちょうど12年後ですね、日本の企業はですね、そのレポートをベースに、今じゃあ実態どうの、っていうのを調べたら、圧倒的に、それが加速していて、ほとんどの案件においては、もう対面でですね、打ち合わせする前には、意思決定が終えていることが、分かりましたと。」

12年前の研究が示唆した傾向は、現在ではさらに加速しています。そして、この傾向はB2Bに限らず、B2Cにおいても同様のパターンが見られます。

では、購買者はいつ、どこで、どのように意思決定を行っているのでしょうか?

「じゃあその意思決定って、何をベースにしているのかを分析すると、ウェブコンテンツであり、ウェブが発信している、ホワイトペーパー、結構これ重要なんですよね、ウェブコンテンツによっても、すでに意思決定もしていて、あなたの営業の人が来るときにも、すでに決まっていて、答え合わせするだけ、形式的だけなんですよね。」

ウェブコンテンツ、特にホワイトペーパーのような教育的コンテンツが、購買決定の中心的役割を担っているのです。

営業トークの価値はたった6%?

さらに衝撃的な統計があります。

「もっと言うと、営業マンがですね、実際に話している時間、その意思決定の中で、どれぐらいの割合かっていうと、大体6%ぐらいしかない、みたいなレポートも、出ているわけですよね。」

6%──これは営業担当者の直接対話が、購買意思決定全体に占める割合です。残りの94%は、ウェブコンテンツ、レビュー、口コミ、業界情報など、営業のコントロール外にある情報で占められているのです。

「ですから、一つの会社が、どこに発注するかを決める、取引するかを決める、っていうプロセスの中で、本当にその営業の人のトークの役割っていうのは、もうわずかしかない、っていうことが、発表されているので、もう僕ら何をするかっていうと、とにかくウェブコンテンツを作らないといけませんよと。」

この事実は、営業組織の存在意義そのものを問い直すほどのインパクトがあります。しかし、これは「営業が不要」という意味ではありません。むしろ、営業の役割が根本的に変容するという意味なのです。

自己効力感が継続率を決めるB2Cサブスクリプションの心理

B2Bの世界だけではありません。B2C、特にサブスクリプションモデルにおいても、同様の心理メカニズムが働いています。

「Think with Googleの2万人規模のアンケート」が明らかにしたのは、継続購入をする人としない人の間に明確な違いがあるという事実でした。

「継続する人の特徴、継続しない人の特徴が分かってきていて、そこを見ていくと、さっき私は自己効力感というお話をしたんですけれども、自分の選び方、選択に自信を持っているユーザーほど、定期購入の継続率が高い。」

自己効力感──この心理学用語が、現代のマーケティングにおいて最重要の概念の一つとなっています。自分の選択に自信を持っているユーザーは、サブスクリプションの継続率が飛躍的に高いのです。

「マンケティングではよく、ライフライムバリューと言いますけれども、生涯どれくらいお金を使ってくれるかという指標に換算しても、非常にパフォーマンスがいいというのが分かりました。これはですね、あるジャンルによっても変わるんですけれども、だいたいダブルスコアです。定期購入確率は、90%以上あるジャンル、すごいね、それは自分の選択に自信を持っている、持っていないと半分以下、継続率なんですね。」

具体的な数字を見てみましょう。

  • 自己効力感の高いユーザー:継続率90%以上
  • 自己効力感の低いユーザー:継続率50%以下

これはダブルスコア──2倍以上の差がつくということです。

なぜ自信がある人はレビューも書くのか?

さらに興味深いのは、自己効力感がレビュー行動にも影響を与えるという点です。

「もう一つ分かっているのが、自分の製品に好意的なレビューを、たくさん書いてくれる人っていうのは、やっぱり自分の選択に自信を持ってくれる人っていうのは、自分の製品にもすごくいいコメント書く、効力感ない人、自信のない人はレビューも大して集まらない、いいコメントは出てこないっていう宿命になるというのがあって。」

このメカニズムを理解するために、郡司さんが挙げた「お水のこだわり」と「豚の血統」の例が非常に示唆に富んでいます。

「知識持っている人っていうのは、いっぱい書くべきものって出てくるんですよ。乾燥でも、コーヒー美味しかったんじゃなくて、コーヒーの渋み苦味とか、産地のあるいは香りの話とか、たくさん論じるものっていうのを持っているから、いっぱいレビューは出てくる。」

知識を持っている人は、評価のポイントを多角的に持っているため、レビューの内容も豊かになるのです。逆に:

「でもさっき言ったように、価格しかない人っていうのは、何か書いてください、コメントを寄せてくださいって言っても、論じるべき知識やないがゆえに、好意的なレビューはつまらないから、結局継続されない。」

価格しか評価軸に持っていない消費者は、レビューする内容も「安かった」「高かった」だけになり、それでは他の消費者にとって参考価値が低い。結果、ブランドにとっても価値の低いレビューになってしまうのです。

このサイクルは、まさに「豊かさの差」を生み出します。

  • 知識豊富な消費者 → 自信ある選択 → 高継続率 → 詳細なレビュー → 他顧客の購買支援 → ブランド価値向上
  • 知識の乏しい消費者 → 自信のない選択 → 低継続率 → 価格のみのレビュー → ブランドのコモディティ化

「10人から10万人へ」営業の知識をコンテンツに変換する

ここまでの話を聞くと、「では営業部門は不要なのか」という疑問が浮かぶかもしれません。しかし、結論は全く逆です。営業こそが最も重要な知識の源泉なのです。

「今まで営業してきた人というのは、まず一つはですね、自分たちが持っている知見、つまり営業の人が持っているスキルっていうのは、一番大事なものっていうのは、やっぱりお客さん目線に立てる立場にいると、一番近い存在ですから、どういうニーズを持っているのか、どういう困り事をしているのか、ってことは、一番その会社の中では精通している人だと思いますね。」

営業担当者は、毎日直接顧客と対話する中で、顧客の本音のニーズ、潜在的な課題、言語化されていない不満を肌で感じ取っています。これはマーケティング部門がアンケートやデータで推測するよりも、はるかに深い洞察です。

問題は、その貴重な知識が一人の営業担当者に閉じ込められていることです。

「ですから私はウェブコンテンツを配信すべきなんですけれども、本当に一人しか営業マンにないときには、せいぜいその人が飛び込み営業も含めていける先っていうのは、1ヶ月の中で限られてますよね。」

具体的な数字で考えてみましょう。一人の営業担当者が、1ヶ月に訪問できる顧客数はどれくらいでしょうか?仮に1日3件訪問して、月20営業日としても60件。実際には移動時間や準備時間を考えると、30〜40件が現実的なところでしょう。

一方、ウェブコンテンツの場合はどうでしょうか?

「でもウェブコンテンツの場合は、一気に1万人とか10万人に閲覧していただくことができると、すごく営業力を持っているわけです。」

10人 vs. 10万人──これは単なる数字の差ではなく、スケールの違いです。営業担当者の持つ貴重な知見を、1対1の対話だけに留めるのは、まさに「知識の浪費」以外の何ものでもありません。

営業知識のコンテンツ化:差別化の最強武器

では、具体的にどのように営業知識をコンテンツに変換すればよいのでしょうか。郡司さんが指摘する方法は、驚くほどシンプルです:

「ですから自分たちが持っているその知識をですね、つまりお客様と接触した困り事とか、ニーズっていうものを、コンテンツにリードバックしていくっていうのが、とても大事で、それは逆にそれも差別化につながるってことですよね。」

リードバック(feedback)──つまり、営業現場で聞いた生の声を、そのままコンテンツに落とし込むのです。

例えば、

  • 営業訪問で聞いた「導入後の3つの失敗パターン」
  • 顧客が抱える「予算承認を得るための5つのコツ」
  • 競合検討時の「見落としがちな8つの評価ポイント」

これらは、営業担当者にしか分からない現場の知恵です。しかし、これをコンテンツ化することで、見込み顧客は営業に会う前に、すでにあなたの会社が持つ深い洞察を知ることができます。

「自分の実際にあった、会社は別のお客さんとかもあっているし、話も違うかもしれないから、そこが必要とされるところですね。」

このアプローチには、さらに大きな副次的効果があります。それは差別化です。

「価格しかない人っていうのは、何か書いてください、コメントを寄せてくださいって言っても、論じるべき知識やないがゆえに、好意的なレビューはつまらないから、結局継続されない。」

価格だけで語れないブランドは、必然的にコモディティ化します。しかし、営業知識をコンテンツ化することで、あなたのブランドは「価格以外の価値」を持つことができます。それは競合の真似ができない、あなただけの差別化要因になるのです。

実践的な意味設計の適用手順:営業現場からコンテンツ作成まで

それでは、具体的に営業知識をどのようにコンテンツに変換すればよいのでしょうか。前回までに学んだ「意味設計」のフレームワークを、営業現場に適用してみましょう。

ステップ1:営業現場での「クエリ」収集

営業担当者は、毎日の対話の中で、顧客の本音のクエリを聞き出しています。これを意識的に収集します。

  • 「本当は何をお探しですか?」
  • 「今、お困りのことは何ですか?」
  • 「他社検討の中で、最も重視されているポイントは?」

これらの対話から、顧客が抱える本質的なクエリを抽出します。

ステップ2:「キー」の明確化──我が社の解決策

次に、営業担当者が現場で実際に使っている解決策の説明を整理します。

  • 「私たちの製品は、〇〇という仕組みで、お客様の△△という課題を解決します」
  • 「競合とは違って、私たちは□□という点にこだわっています」

これが、コンテンツの「キー」になるのです。

ステップ3:「バリュー」の具体化──顧客が得られる利益

最も重要なのが、このステップです。営業担当者が現場で感じ取っている顧客の感情を、具体的に言語化します。

  • 「導入後、担当者の方が喜んでくださって、『仕事が楽になった』とおっしゃっていたのが印象的でした」
  • 「以前は毎日2時間かかっていた作業が、30分に短縮されて、残りの時間で戦略的な仕事に集中できるようになったそうです」

この「バリュー」こそが、コンテンツの中で最も強調すべき部分なのです。

ステップ4:コンテンツ化とスケールアップ

収集したクエリ・キー・バリューを、以下の形式でコンテンツ化します。

ケーススタディ形式

「【業種】の【課題】を抱えるA社様が、当社の【解決策】で【具体的なバリュー】を実現しました」

Q&A形式

  • Q: 【顧客のクエリ】
  • A: その課題に対して、当社は【キー】で【バリュー】を提供します」

ホワイトペーパー形式

「【業種】における【課題】の解決ガイドは、

  • よくある3つの課題とその原因
  • 選定時に見落としがちな5つのポイント
  • 成功導入のための7つのステップ」

これらのコンテンツをウェブ上に公開することで、営業担当者が1ヶ月に30人にしか伝えられなかった情報が、1ヶ月に10万人に伝わるようになるのです。

結論:営業の未来は「答え合わせ」から「コンテンツの指揮者」へ

私たちは、大きな転換期にいます。伝統的な営業の役割──飛び込み訪問で顧客を説得し、闇雲にアプローチを重ねることで成果を上げる──は、もはや過去の遺物です。

「もう今は、営業するっていうのは、非常に手遅れになっているので、もう営業をする前に、もう決着がついているという前提のもとにですね、考えていかないと、これからの時代は、行かれていくことはできないと、私は考えますね。」

郡司さんのこの警告は、営業組織に対する厳しい現実を突きつけています。しかし、同時に、新しい機会も示唆しています。

営業担当者の持つ知識は、もはや「営業スキル」として個人の能力に留めるべきものではありません。それは、会社全体の知的資産として、コンテンツという形で資産化すべきものなのです。

「私はもう、経営している会社は、ちっちゃくて、前の会社でも、営業という人はいなくて、私しかいなかったんですよ、今も同じ状況です。」

郡司さん自身の経験が示すように、小規模企業やスタートアップは、営業部隊の規模で大企業と競争することはできません。しかし、営業知識のコンテンツ化というアプローチを取ることで、規模の差を補うことができるのです。

営業担当者よ、コンテンツの指揮者となれ

これからの営業担当者に求められるのは、単なる「話す」スキルではありません。以下の能力が求められます:

  1. 傾聴力:顧客の本音のクエリを聞き出す能力
  2. 分析力:収集した情報をクエリ・キー・バリューに分解する能力
  3. 文章力:営業現場の知恵を、万人が理解できるコンテンツに変換する能力
  4. 戦略力:どのコンテンツを、どのタイミングで、どのターゲットに届けるかを設計する能力

営業訪問の回数を減らし、代わりに質の高いコンテンツを増やす。この転換こそが、現代の営業組織に求められている最も重要な変革なのです。

「人海戦術しても、非常に効率が悪いわけですよね、と考えるならば、今まで積み重ねてきた知識をですね、ウェブコンテンツに転化していく方向に、持っていった方が、私は効率がいいのかなと考えて。」

効率──これがキーワードです。限られたリソースで最大の成果を上げるためには、もはや人海戦術は通用しない。一人の営業担当者が持つ知識を、10万人に届くコンテンツに変換する。これが、現代の営業組織が取るべき唯一の戦略なのです。

次回に向けて:コンテンツ資産化の実践編

本稿では、ウェブが変えた競合の定義と、営業知識のコンテンツ化の必要性について理論的なフレームワークを解説しました。しかし、理論を理解するだけでは不十分です。実際に営業現場で収集した情報を、どのようにして効果的なコンテンツに変換するのか──。

次回の第4回では、郡司さんとイクバルが実際に手がけた、営業知識のコンテンツ化プロジェクトをケーススタディに、具体的な収集方法から、コンテンツ作成、効果測定、そして組織的な仕組み化までの全プロセスを深掘りしていきます。

特に、生成AIを活用して、営業担当者の口頭での説明を自動的にコンテンツ化する手法や、営業現場で収集した生の声を、検索エンジンに最適化された形式に変換するテクニックについて、実践的な洞察をお届けします。

AIが「支配的に介入する」検索エンジンの時代に、あなたの会社の営業組織が、ただの「営業部隊」から「知的資産の生産者」へと変貌するためには、もはや「営業回数」ではなく、「コンテンツの質」がすべてを決定します。

20年のSEO実績と最先端のAI技術が融合したこの新パラダイムを、ぜひ次回もご覧ください。


出演者プロフィール

郡司武(ぐんじ たけし)

約20年間のSEO実績を持つウェブ集客コンサルタント。キーワードベースの旧来のSEOから、セマンティック検索、そしてAI時代の「意味設計」まで、検索エンジンの進化を常に実践の最前線で見続けてきた。現在は、AI時代に適応した新しいSEOパラダイムの構築と普及に取り組む。

イクバル・アバドゥラ

WEBエージェンシーに特化したAI分析・コンテンツ自動生成サービス「Kafkai」を運営するLaLoka Labs代表。Python財団フェローとしても活動するAI技術者。生成AIの実用化と倫理的利用を推進し、郡司武さんとのコラボレーションにより、AI時代のコンテンツ戦略における技術的実装を担当する。


本シリーズは、YouTube動画「第3回 CONTENTS SEO LAB スペシャリストインタビュー 「SEOの現在地と課題」(全4回インタビュー)」と連動しています。動画では、本稿で紹介した内容に加え、詳細な解説を収録しています。ぜひ併せてご覧ください。

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