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公開日 カテゴリー ビジネスコミュニティー

東京商工会議所台東支部 2026年新年賀詞交歓会レポート

イクバル・アバドゥラ
著者 イクバル・アバドゥラ
合同会社LaLoka Labsの創業者・CEO
東京商工会議所台東支部 2026年新年賀詞交歓会レポート
東京商工会議所台東支部の新年賀詞交歓会が開催され、新会長が中小企業の「稼ぐ力」強化を訴えました。インバウンド課題やDX推進など、台東区経済を支える実践的な方針が明らかに。現場の声を交えて詳しく解説します。写真は二木新会長の冒頭のごあいさつ。

二木忠男新会長の就任と「稼ぐ力」の重要性

開会の辞に続き、新たに第9代台東支部会長に就任された二木忠男会長よりご挨拶がありました。6年間にわたり支部を牽引された前会長に敬意を表しつつ、その志を受け継いで全力で支部運営に取り組む決意を述べられました。

会長の挨拶で印象的だったのは、東京商工会議所小林会頭の会頭所信を引用しながら、中小企業が自ら稼ぐ力を高めていくことの重要性を強調された点です。地政学的リスク、物価上昇、デジタル化の急速な進展によって経済環境が大きく変化する中で、DX、人材への投資、地域の強みを活かした産業づくりは、もはや先進的な企業だけでなく、全ての中小企業にとって重要な経営課題になっているとのことでした。

台東区の特徴として、浅草の賑わいと柳橋の静寂な地域が共存する多彩な地域性を挙げ、観光と暮らし、商いと文化が隣接するエリアであることを強調されました。

観光振興と地域との調和

二木会長は、稼ぐ力の大きな柱であるインバウンドについて、地域経済にとって重要な機会である一方、観光客の受け入れ対応や地域住民との調和も重大な課題であると指摘されました。観光振興では魅力を発信することと受け入れ体制を整えることをセットで考える必要があり、何度でも訪れたくなる、来るたびに新しい発見がある体験を目指して、体験の質の向上と安心安全の確保を最優先に取り組むとの方針を示されました。

支部運営においては、地場産業である皮革や貴金属をはじめとする8つの分科会や青年部が一丸となって取り組むことが不可欠であり、台東区や地域の関係団体と連携しながら、人手不足や事業承継、サイバーセキュリティなどの重要課題の解決や経営支援にも尽力していくとのことでした。

また、二木会長のライフワークであるジャイアントパンダについても触れられ、1月27日にシャオシャオたちが中国に帰還することへの悲しみを表明されていました。外交的な問題とは別に、文化的な交流や経済協力が生まれてくることを望み、パンダが再び日本に来ることを願うとのお話がありました。

宮入正英副会長:パートナーシップ構築と生産性向上

東京商工会議所本部を代表して宮入正英副会長よりご挨拶がありました。今期より台東支部を担当されることになり、台東区と隣接する日本橋兜町で会社を営んでいることもあり、幼い頃から柳橋の料亭や近辺の飲食店と親しく馴染みがあったという、台東区との深いご縁を語られました。

小林会頭の第2期における重点課題として、日本経済を成長軌道に載せること、中小企業の稼ぐ力を強化すること、ゲートウェイ東京としてさらに発展させることの3つが紹介されました。

特に力を入れて説明されたのがパートナーシップ構築宣言についてでした。サプライチェーン全体の付加価値向上、共存共栄、下請事業者との望ましい取引慣行の遵守を代表者の名前で宣言するもので、全国で約8万社が賛同し、商工会議所の会頭や幹部の約80%が宣言しているとのこと。発注者になった場合でも受注者になった場合でも大切な内容が含まれているため、100%の賛同を目指したいとの呼びかけがありました。

また、中小企業委員長を兼務されている立場から、生産性向上と付加価値をどうやって上げていくかが今後の大きな課題であり、皆様の知恵も拝借しながら頑張っていく決意を表明されました。

23支部推進委員会と先進事例の共有

宮入副会長の挨拶では、今期新たに設置された23支部推進委員会についても言及がありました。本部と支部の間が離れていてはいけないという考えのもと、支部が力の根源であるため、その英知を吸い上げ、23支部の中で活動に強いところ、弱いところを含めて共通化しようという意図で設立されたとのことです。この委員会において、既に先進的な事例を数多く持つ台東支部が、その事例を発表し、中核的な役割を果たしていくことへの期待が述べられました。

服部征夫台東区長「10周年の節目と地域の魅力発信」

服部征夫台東区長からは、東京商工会議所台東支部への日頃からの協力に対する感謝の言葉がありました。特に、前会長には大河ドラマ「べらぼう」活用推進協議会の会長として、大河ドラマ館の開設をはじめ様々な取り組みにご尽力いただいたことへの謝意が述べられました。

2026年が特別な年であることが強調されました。上野の国立西洋美術館が東京で初めての世界文化遺産に登録されてからちょうど10年にあたり、また四季折々の花で街を飾って心豊かな潤いのある街づくりを目指す「花の心プロジェクト」も今年で10年目を迎えるとのこと。この大きな節目となる機会に、様々な取り組みを実施し、台東区の魅力をさらに発信・継承していく方針を示されました。

石川義弘台東区議会議長「景気回復への期待と課題」

石川義弘台東区議会議長からは、台東区議会を代表してのご挨拶がありました。台東区内は来訪者や国内外からの訪問者も多く見られ、大いににぎわいを見せているものの、国の月例経済報告では景気はゆるやかに回復しているとしつつも、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響なども景気を下押しするリスクとなっているとの現状認識が示されました。

台東支部の多岐にわたる活動や事業者同士の交流会などの積極的な活動に深い敬意を表し、区としても区内産業のさらなる振興のため、支部とともに一層の努力を重ねていく決意を述べられました。

鳩山紀一郎衆議院議員「国会の生産性向上と制度改革」

鳩山紀一郎衆議院議員からは、1年3ヶ月前に国会議員になってから感じた率直な印象が語られました。国会というのはなかなかに生産性が低いと感じたとのこと。わずか3分程度しか行われない会議に全員が集まったり、予定が直前にならないとわからないなど、生産性が低いと感じるところが多かったそうです。

AI専門家の安野貴博参議院議員と協力しながら、国会運営の生産性を高める方法を議論していることを紹介されました。皆さんに生産性向上を言っているのに、国会議員たちが生産性が低いのではしょうがないので、そこを何とか生産性を高めていけるよう考えているとのことでした。生産性を高めていくには単なる補助ではなく、不合理な制度をやめていき、合理的なものを導入していくことが重要だと強調されました。

興味深かったのは、会長からパンダ新聞をいただき、ジャイアントパンダの返還問題についても触れられた点です。さまざまなルートを使って何かできることはないか探しているところで、なかなか難しい状況ではあるが、何とか早急にパンダが戻って来られるよう、場合によっては自分の身内を使うこともあるかもしれないと、ユーモアを交えながら語られました。会場からは笑いが起こりました。

保坂まさひろ東京都議会議員「積極的な財政出動と子育て支援」

保坂まさひろ東京都議会議員からは、台東区の経済を引っ張る皆様への感謝の言葉とともに、東京都の積極的な財政政策が紹介されました。国が積極的な財政出動と声高々に言っているが、東京都は既にやっているとのこと。来年度は9兆3千億という前年度2%以上増の予算で、皆様方からいただいた税金を還元していく方針が示されました。

特に子どもに対する投資が強調され、未来ある子どもたち、東京で頑張ってもらうためにも子どもを増やさないといけないということで、子どもたちへの投資を進めているとのことでした。少子化の中で東京の合計特殊出生率が0.96、0.99、0.96と落ちていたが、ようやく回復傾向にあり、明るい日差しも見えてきたとの報告がありました。

東京都が提供している支援策として、高校授業料無償化、18歳まで医療費無料、私立学校授業料の実質無償化などが挙げられ、子育てしやすい環境づくりを進めていることが強調されました。

また、台東区の今後の発展について、もっと海外に目を向け、海外との交流を作っていき、台東区で海外との取引をもっと派手にやってもらいたいと語られました。上野、浅草、そして台東区は京都に次ぐ多くのお客様がいらっしゃる地域として注目されているとのことです。

オーバーツーリズムへの対応

保坂議員は、様々な課題があることも認識されており、特にオーバーツーリズムという言葉に触れ、これをベターツーリズムという考え方で乗り越えていくべきだと述べられました。この苦難を乗り越えて、将来もっと多くのお客様に台東区に来ていただくことで、皆様の産業も支えられるという危機感を持って、2026年の仕事に取り組んでいくとのことでした。

東京アプリの導入

最後に、東京アプリという新しいデジタルサービスについての宣伝がありました。2月2日に募集を開始し、アプリをインストールすることで東京のすべての情報がこの一つのアプリで完結するとのこと。15歳以上の方には1万1000ポイントが還元され、それはアプリ内で様々な通貨として使えるそうです。マイナンバーを登録する必要があるが、次の東京に向かってデジタルを一層躍進させていく2026年にしていきたいと意気込みを語られました。

パンダについても触れ、パンダファンが諦めずに経済効果300億をもっと盛り上げていくため、上野公園、上野動物園も一緒に盛り上げていくと誓われました。

中山寛進東京都議会議員「伝統と人材育成支援」

続いて中山寛進東京都議会議員からご祝辞をいただきました。商工会議所の皆さんが健やかに新年を迎えられたことへのお喜びを述べられました。

中山議員は、先ほど服部台東区長が話された大河ドラマ「べらぼう」について触れ、前会長のリーダーシップによって多くのアトラクションがあり、台東区の底力や奥深さをよく理解できたと語られました。特においらん道中について、伝統工芸人が蓄積した漆の技術や染めの技術が、今の工業製品に大きく影響したと言われており、そういう奥深さにみんな台東区に惹かれるのだと感じたとのことでした。

東京仕事センターと政策のマッチング

中山議員は、商工会議所が東京都、国、そして台東区に予算要望をしていることに触れ、議会でそれを審議したり、予算要望を元にして都知事や区長に質問をさせていただいていると説明されました。

先日、東京仕事センターを視察されたそうです。これは若い人からシルバー世代まで対応できる、就業のための訓練のための施設だとのこと。しかし、一つの課題はあまり知られていないということで、従業員をリスキリングする、あるいは新しいスキルを身につけてもらうことを皆さんに知ってもらうことが大切だと述べられました。

東京都の政策や制度、国の制度、台東区の制度をもっとしっかりとマッチングできることが大きな課題であり、ワンストップサービスをもう少し充実していかなければいけないと考えているとのことでした。

パンダ外交への取り組み

最後に、パンダの件について興味深い報告がありました。中山議員は昨日、鳩山紀一郎さんのお父さんに会って、しっかりお願いをしてきたので、何か成果があると思うと語られました。会場からは期待の声が上がりました。

結びに、二木会長を中心とする商工会議所のますますのご発展と、本日ご臨席の皆様のご健勝を祈念してご挨拶とされました。

【永年会員表彰】和光ハトヤ 桜井正人氏

来賓挨拶に続き、永年会員表彰式が行われました。この表彰は、健全な事業経営とともに、東京商工会議所への長年の貢献を称えるもので、加入年数が継続して満30年に達した会員を対象に、以後10年を経過するごとに表彰される制度です。

今回は、40年表彰の代表として、台東支部商業文化会の協議員を務める株式会社和光ハトヤの桜井正人社長が表彰されました。宮城副会長から表彰状が授与され、櫻井氏からご挨拶をいただきました。

櫻井氏は上野広小路付近で呉服店を営む3代目で、会社は1960年(昭和35年)創業、現在66年目を迎えているとのこと。1996年に22歳で入社した当時は、東京商工会議所のことはほとんど分からず、事務所のドアに貼る会員ステッカーを毎年張り替える作業をしていた程度の認識だったそうです。

しかし、下町青年4団体(上野法人会、浅草法人会、東京商工会議所台東支部青年部、JC)の活動を通じて、商工会議所との縁が深くなったとのこと。特に下町どんぐりグランプリというイベントで台東区全体の交流ができることを楽しく感じ、14代佐藤学幹事長の時に青年部に入会されました。

青年部での活動を通じて、楽しい時間、貴重な仲間、様々なイベントを経験し、大変成長させていただいたと語られました。現在52歳で2年前に青年部を卒業し、これからは親会でしっかりと社会活動、社会貢献をしていきたいとの決意を述べられました。

表彰されたの皆さん、本当におめでとうございます! 🎊

富士副会長による乾杯

来賓挨拶の後、富士副会長より乾杯の発声がありました。2026年は桑山前会長から二木会長にバトンが渡された最初の新年であり、支部の発展と皆様の事業の発展、そして伝承を願って、高らかに乾杯の音頭を取られました。会場全体で「乾杯!」の声が響き渡り、第二部の懇親会がスタートしました。

懇親会での交流とAI技術の話題

第2部の懇親会では、年齢や業種を超えたネットワーキングが活発に行われました。私が特に興味深かったのは、何人かの方とのAI技術の実用的な活用についての会話でした。

ある方との会話では、AI生成画像についての率直な意見が出ました。インスタグラムなどで素晴らしい映像を見ても、これはAIで作られたものだと気づくと興奮が冷めてしまうという、AI技術が一般化する中での新たな課題についてお話ししました。やはり、今の世の中にあふれているAIによる生成されたものでも、リアルのもの求めることが人間の本性ではないでしょうか。

AI活用における大きな課題の一つはデータの質だと考えています。インターネット上の膨大なデータは必ずしもクリーンではなく、フェイク情報や匿名による不適切な投稿も存在します。ネット上の情報は実生活で役立つものばかりではありません。AIは何もないところには何も作れません。きれいなデータが必要であり、それを学習させるための計算能力などのリソース不足が大きな問題です。この会話を通じて、AI技術の可能性と限界について実務者としての視点を共有できました。

そのため、懇談会の中で一つのAI活用方法として、自社の中だけにあるデータをGoogle Notebook LMに取り込み、資料作成させるという方法を提案しました。一般的なチャットよりも、まず自分が判断できる範囲のデータをまとめることで、AIが生成するアウトプットは信頼できるデータに基づいたクリーンなものになるからです。

青年部の集合写真

懇親会の途中で、青年部と卒業者(OB)の先輩皆さんで舞台前での集合写真撮影が行われました。100名余りに及ぶ青年部は、将来の商工会議所の継承という意味でも大変重要な部門であると、二木会長も挨拶の中で強調されていました。

※ 写真は確かに撮っていましたが、まだ見つからず掲載することができません。出てきたらここに掲載します。

長堀副会長による閉会の辞

懇親会の最後に、長堀副会長より閉会の辞がありました。

昨年は大河ドラマ「べらぼう」があって非常に盛り上がったものの、それも終わり、また日中関係も複雑になっているとの現状認識を示されました。しかし冷静に考えると、台東区には他の地域にない観光資源がたくさんあり、また高い技術力を持つ企業もたくさんあるので、そんなに心配することはないのではないかとの前向きな見方を示されました。

今年も昨年と同様に台東区が盛り上がるように、商工会議所としていろんな支援をさせていただくことになるだろうとのこと。商工会議所に対しても、引き続きご理解とご支援をお願いしたいと述べられました。

そして、今年は馬年でもあるので、何をやってもうまくいくだろうということで、最後に三本締めで閉会となりました。会場全体ともに手締めが行われ、新年賀詞交歓会が無事に閉会しました。

おわりに

今回の新年賀詞交歓会は、台東区の経済を支える方々の熱意と、新たな年への決意を肌で感じる素晴らしい機会でした。

私は、最近までは仕事で何ヶ月間日本から離れていましたので、青年部のイベントへのお手伝いや参加がなかなかできませんでした。しかし、こうして皆様と再びお会いできることを嬉しく思っています。上野動物園は台東区に位置することもあり、今年の会ではパンダの話題が中心となりました。世の中は常に変化しますが、私たちは前向きに取り組み、事業を進めていくしかないと思います。

また、次のイベントでお会いしましょう。


青年部への参加呼びかけ

今回のイベントを通じて、青年部の活動が若手経営者にとって非常に有意義であることを改めて実感しました。

  • 若手経営者同士のネットワーク構築
  • スキルアップや経営ノウハウの共有
  • 地域経済の発展に貢献する機会

まだ参加したことがない方も、ぜひ一度例会や交流会に足を運んでみてください。ビジネスの可能性を広げるきっかけになるかもしれません。

私たちと一緒に台東支部の青年部に入りませんか?

ご入会には一定の条件等がございますが、ご興味のある方は、ぜひ一度事務局までお問い合わせください。

東京商工会議所台東支部 青年部事務局

  • 〒111-0033 台東区花川戸2-6-5 台東区民会館1階
  • TEL:03-3842-5031

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