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公開日 カテゴリー AI・SEO

SEOは死んでいない、だがGEOは避けて通れない

イクバル・アバドゥラ
著者 イクバル・アバドゥラ
合同会社LaLoka Labsの創業者・CEO
SEOは死んでいない、だがGEOは避けて通れない
日本発のデータに基づく2つの記事が、わずか数日の差で正反対の結論に達した。一方はSEOは終わったと言い、もう一方は終わっていないと言う。どちらも正しい。そしてその理由を理解することが、どちらかの立場を選ぶことより重要である。

2つの記事、2つの結論、1週間の差

数日違いで公開された、データに基づく日本発の2つの記事を読んでいた。そして、この2つは真っ向から矛盾しているように見える。

1つ目は、Faber Companyの辻氏がWeb担当者Forumのカンファレンスで発表したもの(Web担当者Forumはインプレス社が運営する日本有数のデジタルマーケティング専門メディア)。日本の全検索の5〜15%に相当するデータを10年以上にわたって追跡し、約20万語の検索順位を継続的に分析してきた結果に基づいている。結論:自然検索からの流入は「ほとんど減っていない」。99%の企業はAI検索に対して様子見で問題ない。SEOは終わっていない。

2つ目はAMPが公開した記事で、まったく異なる絵を描いている。AI Overviewsがクリック率を半減させ、ゼロクリック検索が1年で56%から69%に急増し、2034年までに337億ドル(約5兆円)規模のGEO市場が出現すると予測されている。検索1位でも、もはや売上の保証にはならない。

私は以前、Google Zeroの神話に関する記事で「Googleの死」という言説は過大評価だと書いた。では、この2つの記事のどちらが正しいのか。

両方とも正しい。

「SEOは壊れた」という主張

AMP記事の数字は無視しにくい:

  • AI Overviewsが全検索クエリの6.49%から13.14%へ、わずか2ヶ月で72%増加
  • AI要約が表示されるとクリック率が半減:通常の検索結果15%に対し、わずか8%
  • AI Overview内に引用されてもCTRは約1%にとどまる
  • ゼロクリック検索が1年で56%から69%に急増
  • グローバルのリファラルトラフィックが6.7%減少、120億訪問から112億訪問へ
  • GEOサービス市場は2025年の8億4,800万ドルから2034年には337億ドルへ、年平均成長率50.5%で拡大予測

これらはノイズではなく、構造的な数字である。特にゼロクリックのトレンドは、AJSAセミナーレポートのPart 1で取り上げた内容と一致している。ゼロクリック時代は現実であり、加速している。検索エンジンは回答エンジンへと変貌を遂げつつある。ユーザーはサイトを訪れない。

「SEOは死んでいない」という主張

辻氏のデータは異なるストーリーを語っており、しかも異例に大規模なデータセットに裏付けられている。彼のチームは日本の全検索の有意な割合を10年以上にわたって継続的に追跡してきた。2025年時点の結論:自然検索トラフィックは「ほとんど減っていない」。

さらに踏み込んで、99%の企業はAI検索に対して様子見で十分だと主張する。パニックは時期尚早である。

しかし、彼のプレゼンテーションで本当に興味深いのはここからだ。10年前に上位表示されていたサイトの半数以上が、現在は検索上位から姿を消していることも同時に示された。SEOは常に変動の激しい世界であり、この種の入れ替わりはAIが原因の新しい現象ではない。何年も前から繰り返されてきたことだ。

彼のチームが特定した本当の変化は、Googleがサイト全体の権威性だけでなく、ページ単位のユーザビリティを評価するようになった点だ。日本で最も信頼されるドメインの一つである政府系サイトですら、2025年のコアアップデート後にキーワードランキングの約4割で10位圏外に落ちた。ページのUXが悪かったからである。一方、明確なレイアウト、適切な見出し、視覚的補助を備えた政府系サイトは順位を維持していた。

そしてGoogle Zeroの記事で私が指摘したとおり:ChatGPTはGoogleの総トラフィックの約2%に過ぎない。構造的な変化は現実だが、規模はまだ小さい。

両方とも正しい。測っているものが違うだけだ

ここが肝心な点だ。辻氏は水位を測り、AMPは川底を測っている。

辻氏のデータは現在のトラフィック量を追跡している。川はまだ流れている。今日のオーガニック検索に依存しているなら、水は枯れていない。一方、AMPのデータは検索の仕組みそのものの構造的変化を追跡しており、川底は明らかにコースを変えつつある。水もいずれ後を追うが、まだ完全には方向転換していない。

これは矛盾ではない。タイムラグである。

しかし最も興味深い洞察は、両方の記事の中にはっきりと見えている。ユーザーへの価値提供が、両者をつなぐ不変の原則である。

辻氏の核心的な結論は、Googleがクリック後のユーザー満足度をリアルタイムで測定し、それを直接ランキングに反映するようになったということだ。ユーザーがページをクリックしてすぐ検索結果に戻れば、順位は下がる。滞在して満足すれば、順位は上がる。被リンクやキーワード出現率でランキングを操作する時代は終わった。重要なのは、そのユーザーを本当に助けたかどうか。

AMPのGEO最適化のアドバイスも、バズワードを取り除けば本質的に同じことを言っている。冒頭で質問に明確に答え、主張をデータで裏付け、有用な情報を抽出しやすいようにコンテンツを構造化する。明確であれ。信頼に足れ。有用であれ。

これらは対立する戦略ではない。2つの異なるインターフェースに適用された、同じ規律である。Googleのアルゴリズムとエンジンは同一の基準に収束しつつある:このコンテンツはユーザーに真に役立っているか?両者は異なる方向から、同じ到達点にたどり着いている。

実際に何をすべきか

実践的なステップを示す。これが最も重要なことだから:

  1. パニックを起こしてSEOを捨てないこと。 オーガニックトラフィックはまだ流れている。辻氏のデータが示す「99%の企業は様子見で問題ない」という数字は、現在の戦略が根本的に健全であれば心強いものだ。

  2. AI引用を意識したコンテンツ構成を今から始めること。 冒頭での明確な回答、データに基づく主張、FAQ形式のセクション。これは推測ではなく、測定可能な効果がある。データが裏付けている。具体的な実践方法はAJSAセミナーレポートのPart 2で詳しく取り上げている。

  3. 検索順位だけでなく、AIエンジンに引用されているかを追跡すること。 指標は「1ページ目の何位か」から「回答の中で引用されているか」へと移行しつつある。これが新しい可視性だ。

  4. チャネルを分散させること。 Google、ChatGPT、その他どれか一つのプラットフォームに依存してはいけない。Google Zeroの記事でこの点を主張したが、それ以降、考えを変える材料は出てきていない。

  5. 証明できることに集中すること。 自社のデータ、オリジナルの調査、実際のケーススタディ。これがGoogleのアルゴリズムとAIエンジンの両方が評価するものだ。誰にでも書けるような(あるいはAIが書いたような)汎用的なコンテンツは、真っ先に淘汰される。

問題はSEOが死んでいるか生きているかではない。あなたのコンテンツが引用に値するかどうか、人間にとっても、機械にとっても。

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